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「小説感想」 教育現場で壊すべき聖域~でっちあげ編~

オススメ度

★★★★★☆☆☆☆☆

★5個です!!

 

私はこの作品を

 

ノンフィクションと知らずに買いました。

 

途中で

 

「福岡 殺人教師事件」を調べたのですが

 

この事件は濡れ衣でした、

 

とても気分が悪かったです。

 

それくらい衝撃的な事件でした。

 

このブログでは福田ますみ氏

 

「でっちあげ~福岡 殺人教師事件の真相~」

 

を紹介します。

 

 

 あらすじ

「早く死ね、自分で死ね。」2003年、全国で初めて「教師によるいじめ」と認定される体罰事件が福岡で起きた。地元の新聞報道をきっかけに、担当教諭は『史上最悪の殺人教師』と呼ばれ、停職処分になる。児童側はさらに民事裁判を起こし、舞台は法廷へ。正義の鉄槌が下るはずだったが、待ち受けていたのは予想だにしない展開と、驚愕の事実であった。第六回新潮ドキュメント賞受賞。*1

 

 

 

 

「でっちあげ」で何が解決したのか

教育現場にいる方は

子供をどう思いますか??

 もし、私が教育現場にいれば

 

子供と接するときは、大切に大切にします。

 

「でっちあげを読むと

 

それは身を滅ぼすとわかりました!!

 

 

 

 

 

以下ネタバレ有り。。。

 

 

 

 

「序章 史上最悪の殺人教師」

福岡市の公立小学校で教鞭をとっていた

 

「川上譲」(仮名)

 

「浅川裕二」(仮名)宅を家庭訪問した際

 

男児曾祖父がアメリカ人とわかると

 

穢れた血と発言しました。

 

その後、教師によるいじめが始まり

 

「浅川裕二」

 

PTSD(外傷後ストレス障害と診断され

 

両親は教諭と市を相手に裁判を起こしました。

 

しかし、

 

この裁判は予想もしない展開になります。

 

 

 

 

「第1章 発端 穢れた血」

「川上譲」は家庭訪問後に

 

校長教頭に呼び出されます。

 

その際、実際の家庭訪問では無かった

 

差別的な発言と体罰

 

あったかのような口調で糾弾しました。

 

そして、2人に責め立てられ

 

体罰をしたような気がする」

 

と発言します。

 

この一言が彼の今後の運命を大きく変えます。

 

 

 

「第2章 謝罪 いじめでした」

保護者と教師の発言がすれ違うと

 

教師が譲歩する暗黙の了解があります。

 

そのため、彼も譲歩して「浅川裕二」

 

母「浅川和子」(仮名)

 

父の「浅川卓二」(仮名)

 

体罰はしていないにも関わらず

 

謝罪します。

 

その結果、担任を下ろされます。

 

 

 

キンプルポイント 1

  • 自己完結

 

「川上譲」気が弱く優柔不断なため

 

責め立てられると自己完結します。

 

謝罪した方がいいのではないか

 

など~ではないか

 

自己完結します。

 

この行動の積み重ねが彼の運命を狂わせます。

 

困ったら相談は基本中の基本です。

 

 

 

「第3章 停職6か月」

担任が代わっても気が収まらない両親は

 

教育委員会学校

 

停職を迫ります。

 

保護者とのもめ事を避けたい学校

 

両親の訴えを鵜呑みにする市教育委員会

 

によって停職6か月の重い処分が下されます。

 

そして、この騒動をマスコミが嗅ぎ付け

 

「川上譲」誹謗中傷が始まります。

 

しかし、体罰を目撃した生徒がいない

 

報道するマスコミにより

 

浅川一家にも疑惑の目が向けれます。

 

 

 

 

「第4章 裁判 550対0の不条理」

 裁判では当初、「川上譲」

 

弁護人が見つかりませんでした。

 

それに対し、

 

「浅川一家」550人の弁護団がつきました。

 

しかし、浅川和子には

 

アメリカ人の祖父がいないとわかり

 

徐々に劣勢となります。

 

 

 

キンプルポイント 2

  • 虚栄心

「浅川和子」虚栄心が明らかになります。

 

アメリカに住んでいた、祖父がアメリカ人など

 

全てうそでした。

 

虚栄心の暴走は自分しか管理できないため

 

幼い頃から

 

正直に生きる事を徹底しなければいけません。

 

 

 

 

「第5章 カルテPTSDの真実」

「浅川裕二」PTSDと診断されましたが

 

「浅川和子」による証言だけで診断した

 

杜撰なものでした。

 

そのため、症状が出ることもなく

 

PTSDだと判明しました。

 

 

 

 

「第6章 判決 茶番劇の結末」

 この騒動は「浅川一家」

 

虚言によるものとされました。

 

しかし、一度「川上譲」体罰を認めている為

 

体罰いじめが一部は認定されました。

 

事実認定に

 

曖昧さを残す民事訴訟の限界が現れました。

 

 

 

 

「終章 偽善者たちの群れ」

教育現場では保護者と教師は対等ではなく

 

教師が一歩下がらなければ、対処できません。

 

最終的に

 

停職6か月の処分が取り消されたこと

 

この事件の唯一の救いです。

 

この騒動の要因は

 

10秒以内に片づける

 

10カウントを「浅川裕二」

 

「浅川和子」に言ったことが

 

始まりと考えられます。

 

その際、「川上譲」責任転嫁するため

 

とっさの言い訳を全て信じた結果

 

この冤罪事件が起きたと考えられます。

 

 

ベストオブキンプルポイント

  • 子供という聖域

子供という聖域を盾に

 

理不尽な要求をする親は近年増えています。

 

教師が弱い立場がこれからも続けば

 

容易に第2、第3の「川上譲」が生まれます。

 

 

それを防ぐために

子供という聖域壊すことが

大切だとわかりました!!

 

 

 

まとめ

 

この事件では事実関係をしないまま

 

報道したマスコミ

 

保護者のことを鵜呑みにした

 

教育委員会と学校の責任が重いです。

 

 

今後、教育現場では

虚栄心を持った

保護者と接する際

自己完結せず

子供という聖域

壊す覚悟が求められます!!

*1:福田ますみ 「でっちあげ~福岡 殺人教師事件の真相~」 新潮社