ブログ以上聖書未満

書評、料理、ブログ論をブログ以上聖書未満のクオリティで発信します!!

「小説感想」 その思いやりは自己満足ですか~告白編~

オススメ度

★★★★★★★☆☆☆

★7個です!!

 

一つの事件を

 

色々な人の視点で見ます。

 

章が進むにつれ

 

どういった背景

 

事件が起きたのかわかります。

 

後半は、ページをめくる手が

 

止まらなかったです!!

 

しかし、

 

よりはっきりした結末を期待しました。

 

このブログは

 

2009年本屋大賞作品

 

湊かなえ「告白」を紹介します!!

 

 

 あらすじ

我が子を亡くした女性教師が、終業式後のホームルームで犯人である少年を指し示す。

ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」からそれぞれ語らせ真相に迫る。

圧倒的な筆力と、伏線がちりばめられた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。

第29回小説推理新人賞受賞作「聖職者」を第一章とし、その後、第六章まで加筆して長編小説として刊行。*1

 

 

 

 

「告白」で何が解決したのか

みなさんは思いやり

ありますか??

それは自己満足

どう違いますか??

 

その疑問を「告白」

 

解決してくれました!!

 

 

 

以下ネタバレ有り。。。

 

 

 

「第1章 聖職者」

語り手は中学校教師の

 

「森口悠子」です。

 

彼女が退職する前に

 

最後のホームルームで

 

話す形で書かれています。

 

彼女の娘は

 

クラスの生徒2人に殺されました。

 

その復讐として

 

HIVウイルスに感染している

 

夫の血液入り牛乳を犯人に飲ませます。。

 

 

キンプルポイント 1

  • 事件を報道する意味

 

凶悪事件を報道する意味

 

は何でしょうか??

 

憶測で動機を報道することは

 

国民を煽っているだけです。

 

事件を報道する意味

 

もう一度考えなければ

 

マスコミに煽られっぱなしです。

 

 

 

 

「第2章 殉教者」

語り手はクラスの

 

委員長である「北原美月」です。

 

彼女が、退職した「森口悠子」

 

宛てた手紙という形で書かれます。

 

犯人の1人である

 

「渡辺修哉」はいじめられ

 

もう1人の犯人

 

「下村直樹」不登校になりました。

 

 

 

ベストオブキンプルポイント

  • 自己満足

 

彼女は、新しく赴任した「寺田良輝

 

犯人の1人である「下村直樹」への

 

家庭訪問を行います。

 

それを寺田良輝自己満足

 

ではないかと尋ねます。

 

自己満足からの行動は私もします。

 

その時は大抵、してあげている

 

という気持ちになります。

 

思いやりを意識した

時点で自己満足です。

無意識が思いやりで

意識すると

自己満足とわかりました!!

 

 

 

「第3章 慈愛者」

語り手は、犯人の1人である

 

「下村直樹」の母です。

 

彼女の日記という形で書かれています。

 

彼女は息子の直樹を溺愛しました。

 

しかし、その愛が息子とすれ違い

 

関係は悪化します。

 

その結果

 

殺人を犯した息子を殺そうとしますが

 

息子によって殺されました。

 

 

キンプルポイント

  • 名もなき集合体

彼女は学校・仕事に行かない人に

 

ニート、引きこもりに

 

名称を与えたことが問題だと言っています。

 

名称があるから安心感を与えます。

 

名もなき集合体として放っておけばよいと

 

私も共感しました。

 

 

「第4章 求道者」

犯人の1人である「下村直樹」

 

精神に異常が現れ

 

映像を見ている形で書かれます。

 

彼はHIVウイルス入りの牛乳を飲んでから

 

精神に異常が現れました。

 

その結果、母親との関係が悪化

 

殺してしまいます。。

 

 

 

第5章  信奉者

もう1人の犯人である

 

「渡辺修哉」の遺書という形で

 

書かれています。

 

彼は研究者の母親に捨てられました。

 

そして、母親にもう1度会いに

 

来てもらうために有名になろうとします。

 

少女による猟奇的殺人事件

 

報道が過熱する様子をみて

 

犯罪者になれば母親が

 

駆けつけてくれると思いました。

 

そして、殺人計画を実行します。

 

 

 

第6章 伝道者

「森口悠子」「渡辺修哉」

 

電話で話すという形で書かれています。

 

夫の彼女を犯罪者にしたくない思いから

 

彼女の復讐は失敗していました。

 

しかし、彼女の気は収まりませんでした。

 

まず「下村直樹」には「寺田良輝を送り

 

より追い詰めます。

 

家庭訪問も彼女の案でした。

 

そして

 

「渡辺修哉」が自殺するための爆弾を

 

彼の母親の研究室に置いたと告げます。

 

しかし、実際に母親が死んだのかは曖昧です。

 

 

 

まとめ

少年犯罪、いじめ、

 

モンスターペアレント、報道

 

といった現在の様々な

 

問題が描かれていました。

 

しかし、共通して当事者に

 

罪の意識は少なかったです。

 

すれ違いが要因でした。

 

大きな問題を解決するためには

 

小さなすれ違いを埋める必要があります。

 

名もなき集合体の事件を

報道する意味を理解し

その行動が自己満足

ならないようにしたいです!!

*1:株式会社双葉社「告白」湊かなえ